公園で観られる樹木

ケヤキ
ケヤキ
別名ツキ。
樹形は「ほうきを逆さにしたような形」と言われるように、枝が鋭角にのびる姿が美しく、遠目からでも分かりやすい。葉は互生で、ふちには鋭い鋸歯がある。表面はややざらつく。
若い樹皮は、一見「サクラ属」を思わせる横の皮目が目立つ。老木になると樹皮がぽろぽろ鱗片状にはがれるのは分かりやすい特徴である。
ケヤキは、落葉の時期になっても果実のついた枝は葉を落とさない。そして果実が熟すと枝ごと落ち、
枯れ葉をつばさ代わりにして、少しでも遠くへ移動しようとする。
木材は保存性が高く、寺社建設、臼、盆、漆器に使われる。
クヌギ
クヌギ
クヌギの語源は国木(くにき)からという説がある。古名はツルバミ。

樹皮は暗い灰褐色で厚いコルク状で縦に割れ目ができる。クヌギは幹の一部から樹液がしみ出ていることがあるため、カブトムシやクワガタなどの甲虫類やチョウ、オオスズメバチなどの昆虫類が樹液を求めて集まる。
果実はどんぐりの一種で、丸く、翌日の秋褐色に熟す。古くはこの実で衣服を染めていた。

木炭、シイタケ栽培の穂木として利用される。かつては、樹皮からコルクをとるため植栽されていた。ちなみに現在のコルクのほとんどは、地中海沿岸に自生するコルクガシの樹皮を加工したものである。

モミジ
モミジ
イロハモミジの名前の由来は、葉っぱの裂片を「いろはにほへと」と数えたことからつけられたと言われている。

ヤマモミジは、紅葉が美しく庭木や公園樹、盆栽などに利用されている。
ふつうは、赤くなるが中には黄色く黄葉するものもある。イロハモミジやコハウチワカエデに似ており頭を悩ますカエデである。
ふつう5裂から7裂の葉っぱで、モミジといえば普通この種をさすことが多い。

ヒメシャラ
ヒメシャラ
日本固有種。

名前の由来はシャラ(ナツツバキの別称)より花が小さいためその名が付いた。
赤褐色のなめらかな樹皮が特徴で、その樹皮が鱗片状(りんぺんじょう)にはがれる。
同属のナツツバキと非常によく似ているが、冬芽の芽鱗(がりん)のつきかたが異なる。

庭木、公園樹、床柱、野球のバットなどに使われる。

トチノキ
トチノキ
たいへん大きな掌状複葉をもつ。

葉は5~7つに掌状に分かれており、天狗の団扇(てんぐのうちわ)と呼びたくなる。 枝先に大きな円錐花序をつける。
トチノキの種子は大きなクリのようであり、灰汁(あく)抜きをすると食べられ、「トチ餅」として縄文時代からの文化である。

アオキ
アオキ
別名アオキバ(青木葉)、ダルマ。

枝の色や葉が常緑で、いつも青々としていているためから「アオキ」という名前で呼ばれている。
縁にはまばらに鋸歯がある。質は厚く、表面には光沢がある。 園芸品種として斑入り葉もある。 葉は、枯れたあと、押し葉にすると黒くなる。

ラクウショウ
ラクウショウ
ラクウショウはアメリカ大陸の東南部からメキシコに分布する落葉の高木。

湿潤地における生育に適しており、長期間の水没に耐えることができる。
普通の場所に植栽すると気根を出すことはないが、湿潤地に生育すると独特の気根(きこん)を形成する。

《写真上部》気根は根の上側が生長して空気中に出てくるもので、膝根とよばれる。
和名は落羽松、沼沢地に生育するので、ヌマスギの別名もいただいている。

サンゴジュ
サンゴジュ
赤い果実がたくさんつき、その枝も赤く染まるところから珊瑚(さんご)という名前が付いた。

暖地の海岸付近に多く生える。
葉は革質で光沢がある。
葉が厚くて水分が多いため、防火樹として生垣にも植えられる。

ニシキギ
ニシキギ
別名ヤハズニシキギ。

名前の由来は紅葉を錦に例えたことによる。 紅葉が見事でモミジ・スズランノキと共に世界三大紅葉樹に数えられる。 若い枝では表皮を突き破ってコルク質の2枚の翼(よく)が伸長するので識別しやすい。

なお、翼が出ないものもあり、コマユミと呼ばれる。

ユズリハ
ユズリハ
ユズリハ(譲葉)は新しい葉が出揃ったのち、古い葉が一斉に落ちるので、これを子供が立派に成長したのを見届けたのち家督を子供に譲り、家系が途切れることなく続いていくことの象徴と見なして、おめでたいお正月の飾りに使うのだと説明されている。

新しい葉が展開した後古い葉が落ちるというのは、なにもユズリハに限ったことではなく、クスノキなどでも起こることで、いわば常緑樹の特質と言えるものだが、ユズリハがとりたてておめでたい樹木とされるのは葉が大型で美しく、また新旧の入れ替わりが急激で目立つからであるとされる。

葉柄(葉のじく)の赤色が目立つ。 葉の裏は灰白色をしていることが多く、側脈が明瞭。

ヤマモモ
ヤマモモ
和名は山に生え、桃の様な果実をつけることからその名が付いた。
雌雄異株で、花期は3~4月、数珠つなぎに小さな赤色の目立たない花をつける。6月ごろに黒赤色の実を結ぶ。

果実は甘酸っぱく、生で食べる他、ジャムや果実酒に加工される。 本州南部以南では、海岸や低山の乾燥した尾根など、痩せ地で森林を構成する重要樹種である。そのため、緑化を目的とする植樹に用いられることがある。

ヤマモモの実は、鳥などに食べられ、消化された後に発芽する性質がある。 樹皮は楊梅皮(ようばいひ)という生薬で、タンニンに富むので止瀉(ししゃ)作用がある。消炎作用もあるので筋肉痛や腰痛用の膏薬(こうやく)に配合されることもある。

キンモクセイ
キンモクセイ
キンモクセイは、秋を代表する樹木でその馥郁とした香りが秋の訪れを感じさせる。
葉はギンモクセイに比べてやや薄く、小型で細長い形である。
樹皮には、独特の皮目が目立つ。

庭木、公園樹に用いられ大気汚染がひどいところでは花つきが悪いといわれている。

クスノキ
クスノキ
全体に特異な芳香を持ち「臭し(くすし)」がクスの語源。

材や根を水蒸気蒸留し樟脳(しょうのう)を得る。この性質を利用して防虫剤として広く使われた。つまり、古典的な「タンスにゴン!」である。九州などでは樟脳を取るために大量に植栽された。 クスノキの仲間(ヤブニッケイ等)にはよく似た物質が含まれており、この臭いが同定に役立つ。 クスノキにこのような物質が含まれているということは、クスノキの材そのものに防虫作用があるということであり、クスノキでタンスを作ると防虫性が高いことになる。神社などに大きく生長したクスノキが見られることがあるが、この防虫作用と長寿であることとは関係が深いであろう。 古くからクスノキ葉や煙は防虫剤、鎮痛剤として用いられ、作業の際にクスノキを携帯していたという記録もある。また、その防虫効能から家具や仏像などにも広く使われていた。食用となるアボカドや、葉が線香の原料となるタブノキは近縁の種である。

モッコク
モッコク
別名アカミノキ。

モッコク(木斛)の名の由来は、岩や木に着生するラン科のセッコク(石斛)の花の香りに似ていることから付けられた。
葉は長さ3~7cm。鋸歯はなく(全縁)、厚くて表面は滑らか。裏面も葉脈はほとんど見えない。
葉柄は紅紫色を帯びる場合が多く本種の同定のキーであるが、暗い林の中に生育するものでは赤味を帯びないこともある。

秋になると赤いりんごの様な実を付け、熟すと不規則に果実が割れ、果皮は落下し朱色の種子が残る。
庭木として大変人気がある。

シラカシ
シラカシ
別名クロカシ、ホソバガシ。

名前は葉の白さではなく、材質が白いことに由来する。ちなみに樹皮が黒いことから「クロカシ」の別名もある。
身近な里山や山地に普通に見られる常緑の高木。

材は器具材に多く利用されていたが、現在では公園樹や庭木として利用されている。

もちろんドングリができる。ドングリには1年で成熟するものと、2年で成熟するものがあるが、シラカシは前者である。

アラカシ
アラカシ
別名クロガシ(黒樫)。
樹皮のきめが粗い、枝葉が硬く粗い感じがすることからアラカシ(粗樫)と言われるようである。

●アラカシとシラカシの比較●

アラカシは葉のおよそ上半分に鋸歯があるのが特徴。シラカシと似ているが葉の太さで区別できる。《前項参照》しかし、ときに変異もあり太さだけでは判別しがたいこともある。シラカシは、葉身の2/3以上に鋸歯があるのが一般的である。

アラカシの葉のうら面は灰白色であるのに対してシラカシは白緑色である。

カンツバキ
カンツバキ
別名シシガシラ。

「ツバキ」という名がつくが、サザンカの園芸品種。ヤブツバキとサザンカとの交雑種で、関西では、 シシガシラと呼ばれている。 真冬に咲く貴重な花。 サザンカは背が高くなるが、カンツバキは枝が横に広がり背丈はせいぜい1m程である。

ヤブツバキ
ヤブツバキ
ツバキの原種。照葉樹林(シイ・カシ帯)の代表的な種である。

葉の表面にはクチクラが発達しており、革質でやや堅く光沢がある。特に若葉のときには光り輝くほどの光沢がでる。葉は無毛で表面は濃緑色で裏面は緑色。縁にはまばらな鈍い鋸歯があり、鋸歯の先端には小さな褐色の突出がある。縁はわずかに内巻きする。

ヤブツバキの花は11月頃から4月頃まで咲く。果実は大きく、直径4~5cmある。果皮は厚く、熟すと3つに裂開して中から大きな種子がのぞく。中に包まれている種子も3つであることが多い。種子の中には油が含まれており、椿油がとれる。椿油は古くから整髪用の油や食用・灯用油、さび止め、木製品の艶だしなどに使われてきた。特にヤブツバキの椿油は高級。

タブノキ
タブノキ
別名イヌグス。

タブノキ(椨の木)の名前の由来は、朝鮮語で丸木舟をtong-baiといい、転化してタブになり、丸木舟を作る木の意味からタブノキとなった。

常緑の大高木。シイ類、カシ類とともに、暖帯林を代表する樹木。
潮風に非常に強いため、海岸近くに特に多く見られる。
材は、器具材、家具材、建築材、枕木などに使われる。
樹皮は皮目がよく目立ち、染物や線香などに使う。

レンギョウ
レンギョウ
別名レンギョウウツギ(連翹空木)、イタチグサ、イタチハゼ。

幹は中空であり、レンギョウウツギの由来となっている。
早春に葉が出るよりもはやく、鮮やかな黄色の花で埋めつくす低木である。
葉は対生で卵形、先は鋭くとがり、粗い鋸歯がある。単葉と3枚の小葉がある複葉(若い枝の葉)とが混じるのが特徴。秋には紅葉する。

枝がよく伸び、自然の状態では、高さ2mほどの株立ちになり、非常に強健で、枝が地面に触れただけで根を出すほどである。

ビョウヤナギ
ビョウヤナギ
別名ビジョヤナギ(美女柳)、ビヨウヤナギ (美容柳)、 キンセンカイドウ(金線海棠) ビョウヤナギとは、玄宗皇帝が最愛の楊貴妃とともに暮らした長安の都に造らせた未央宮に植えられていたヤナギの葉に似ているためという。 江戸時代の宝永年間に中国から渡来した。 葉は,同属のキンシバイよりもひとまわり大きく、十字対生につく。 花は,同属のキンシバイよりもひとまわり大きく平開する。雄しべが花弁よりも長く,ふわっと半球を描くようで美しい。花弁と花弁の間には隙間がある。
アベリア
アベリア
別名ハナゾノツクバネウツギ。

低木で、春~秋のかなり長期に渡って、鐘形の小さい花を多数咲かせる。 花の香りは非常に強く、公園などの生け垣によく使われる。 日本列島の関東以西では真夏の酷暑の時期に花をつける在来植物が少ないため、この時期にはアベリアの花に多様なハチやチョウが吸蜜に集まる。

ハマヒサカキ
ハマヒサカキ
和名は海岸性のヒサカキの意味から由来している。

ハマヒサカキは雌雄異株。開花期は暖地では10月から11月にかけて咲く。強風の吹く海岸では、早春は開花には適していないのであろう。

果実は球形で直径5mmほど。10月の段階ではまだ緑色であるが、11月には赤紫となり、冬に黒紫色に熟す。開花期は10月なので、果実が熟すには1年以上の年月が必要であることになる。 海岸に生育する植物の多くは乾燥に対する抵抗性が高く、緑地帯や道路の分離植栽などによく利用されるが、ハマヒサカキの生育立地は、海岸ではあっても持続的な水分供給のある場所であると解明された。

ナンキンハゼ
ナンキンハゼ
別名 トウハゼ、カンテラギ。

雌雄同株、5~6月開花、雄花は、総状花序でその葉腋に雌花をつける。 葉は三角状広卵形で先端は尾状で、秋、紅葉する。 秋、球形の蒴果(さくか)を黒熟させ、3個の種子を出す。種皮は黒色であるがその表面は脂肪に富んだ白色の蝋状物質で覆われる。蒴果が裂開しても種子は果皮から自然に離脱することはなく、紅葉期から落葉後まで長く樹上に留まり白い星を散らしたようで非常に目立つ。 ムクドリなどの鳥類がこの種子を摂食し、蝋状物質を消化吸収して種子を排泄することで種子分散が起こる。

サルスベリ
サルスベリ
別名ヒャクジツコウ。

すべらかな木肌は最大の特徴で名前の由来にもなっている。つまり、猿が登ろうとしても、滑ってしまうということで、猿滑とも表記することがある。日本には江戸時代に渡来した。 本年枝には、紅紫色で薄い稜(りょう)が4個ある。 果実は熟すと6裂して中から翼のついた種子を多数出す。 南方系の植物であるためか、春の芽だしは遅く、新しくのびた枝の先端に円錐形の花序をつける。花は7月のはじめから咲き始め、9月の終わりまで真夏の日射しを楽しむかのように咲いている。花弁は6枚(~7枚)で根元が急に細くなっており、中心に多数の雄しべがあるが、そのうち外側の6個は長い。雌しべは中心に1本。花の色は紅紫色~淡紅紫色、白色である。 外国産の樹木で自然繁殖する種は多くはないが、サルスベリは稔った種から自然に芽生え、成長する。